相続のはなし~改正原戸籍?【戸籍の読み方】~

掲載日:2020.05.20

相続手続で利用する戸籍(謄本)は、細かく分けると、現在戸籍、除籍及び改製原戸籍があります。
それぞれ記載されている内容が異なるのですが、中でも改製原戸籍は少し特殊ですので、今回はこれについて触れてみたいと思います。

改製原戸籍(かいせいはらこせき、かいせいげんこせき)は、法律によって戸籍が新たに作成される時(改製される時)に、その基となった戸籍のことです。
例えば、直近ではコンピュータ化のために改製がされ、縦書きから横書きになりましたが、この場合、横書きの新しいものが現在戸籍であり、縦書きのものは改製原戸籍ということになります。「改製される前のもの」という意味で改製「原」戸籍と呼ぶのですね。
改製の場合、記録はそのままに新しい戸籍に移すので、記載されている内容は現在戸籍と改製原戸籍ではほぼ変わりません。
ただ、今後の変更事項は現在戸籍にだけ反映されるので、改製原戸籍はこのあと記録が変わることはありません。つまり、過去の戸籍ということになります。

相続手続では、原則として被相続人の出生まで過去の戸籍を遡るため、その中に改製原戸籍も含まれていることになります。
改製原戸籍という言葉が聞き慣れないので疑問に思うかもしれませんが、過去の戸籍の一つという捉え方で問題ないかと思います。
それでも、「内容が読めない、」「戸籍がどう繋がっているかわからない」という場合は、専門家に相談してみた方がよいかもしれませんね。

では、また次回お楽しみに!

司法書士 たつみ