マニアック法律知識~不要な不動産でも所有権は放棄できない?~

掲載日:2020.09.19

相続手続のご相談をいただく際に、亡くなった方名義の不動産が不要なので、その不動産だけ権利を放棄したい、というようなご要望を頂戴することがあります。

持っている権利を手放すだけなので簡単なように思えますが、実はそう上手くは行きません。
法律上、所有権の放棄は認められていないため、不要な不動産だからといって権利を放棄することはできないのです。

この「所有権が放棄できない」ということと混同されることがあるのが、「相続放棄」です。
確かに、相続の場合は相続放棄という選択肢もありますが、この場合は一部の権利だけ相続放棄するということはできず、不動産の権利を放棄すると、預貯金などもすべての権利を放棄することになってしまいます。

不要な不動産がある場合、まずは無償でも譲受人を探すことがより現実的な選択肢となるのではないでしょうか。
特に地方の不動産は管理に苦慮する方が少なくないので、今後もこのようなお悩みはあるかもしれませんね。

では、また次回お楽しみに!