成年後見のはなし~親族でも後見人になることができる?~

掲載日:2020.02.16

成年後見制度は、認知症などにより判断能力が低下した方のために、「後見人」という支援する人を選任する法的な制度ですが、後見人には、これまで司法書士や弁護士などの専門家が選ばれることが多い傾向にありました。

ところが、2019年3月に、最高裁判所が「後見人には身近な親族を選ぶことが望ましい」という見解を示しました。
実は、後見人は資格制ではないため、これまでもご親族が後見人になることは可能であり、実際に選ばれることも少なくありませんでした。
ただ、最高裁判所の判断が明らかになったことから、今後、ご親族を優先的に選任する流れが加速する可能性があります。

なお、後見人への就任を希望するご親族がいっらっしゃる場合、候補者として指定することになりますが、申立の手続を司法書士や弁護士に依頼した場合でも同様ですので、申立手続は専門家、後見人の候補者はご親族、と分けることも可能です。
それでも、後見人は財産の管理義務の他、家庭裁判所への報告義務もありますので、気軽に立候補することは控えた方がよいでしょう。
誰が後見人として適切なのかはご本人の状況にもよりますので、専門家を選ぶことも含め、慎重に検討することをお勧めいたします。

では、また次回お楽しみに!

司法書士 たつみ