遺言のはなし~兄弟姉妹には遺留分がない?~

掲載日:2019.04.11

「特定の相続人にすべての財産を相続させる」というような遺言を作成した場合、通常、他の相続人には「遺留分」がありますので、遺言によって財産を受け取ることができなくなった相続人は、財産の受取人に対して遺留分相当の財産を譲り渡すよう請求することができます。
※遺留分について詳しくはこちらをご覧ください。

しかし、遺留分が認められるのは、相続人のうち、子(直系卑属)と父母(直系尊属)に限られているので、兄弟姉妹が相続人である場合は事情が異なります。
例えば、図のように太郎さんが、律子さん(配偶者)に全財産を相続させる、という遺言を作成した場合、太郎さんの兄弟である次郎さんには遺留分が認められません。
本来であれば次郎さんは4分の1の法定相続分(財産を受け取る権利)を有していますが、上記のような遺言があることによって、次郎さんは一切財産を取得することができなくなるということです。
逆に言うと、遺言を作成しても、場合によっては遺留分減殺請求を受けて希望通り相続することができないことがありますが、法定相続人が兄弟姉妹である場合は、遺言のとおり相続することができるということになります。
遺言を作成する際は、遺留分について十分に注意する必要がありますね。

では、また次回お楽しみに!

司法書士 たつみ