マニアック法律知識~不在者財産管理人とは?~

掲載日:2019.01.23

今回は、住所または居所を去った人(不在者)がいる場合、その人の財産をどうすればよいのか、という事例です。

例えば、空き家が行方不明者名義である場合や、相続人のうちに行方が知れない人がいる場合の問題です。
上記のいずれの場合でも、本来の権利者がいないため、普通に考えると財産処分などの手続を行うことができません。
しかし、空き家を放置すると火災や倒壊のリスクがありますし、相続手続ができなければ他の相続人の生活にも影響するため、いつまでもそのままという訳にはいきませんよね。
このような場合、不在者のために、その財産を管理する人(不在者財産管理人)を家庭裁判所に選んでもらうことができます。

不在者財産管理人は、不在者の財産を維持管理する他、家庭裁判所の許可を得て財産を処分することもできます。
つまり、倒壊の危険性がある建物を取り壊したり、土地を売却することもできるということです。
不在者の財産について何かしら手続が必要な場合、この不在者財産管理人を利用することを検討していただければよいのではないでしょうか。
ただし、家庭裁判所への申立は誰でもできるわけではなく、利害関係を有している方のみに限られていますので、ご注意ください。

なお、不在者財産管理人と似たような制度として「相続財産管理人」というものもありますが、こちらはまた別な機会に触れたいと思います。

では、また次回お楽しみに!

司法書士 たつみ