遺言のはなし~相続人が遺言を破棄した場合~

掲載日:2018.07.25

遺言を作成した場合でも、実際に遺言を使って相続手続を行うのは相続人ですから、将来相続人になる方に遺言を預けておく、ということは珍しくありません。

これ自体に問題はないのですが、相続人に遺言を預けた場合、預かった相続人は、自分(相続人)に都合の悪い遺言を破棄するということが考えられます(もちろん稀なケースです)。
この場合、その相続人は、遺言の内容に従って相続することはもちろん、そもそも相続する権利を失います(民法第891条参照)。
これは、相続人の欠格事由と呼ばれるもので、不誠実な相続人を相続関係から除外するしくみです。
その他にも遺言関連で言うと、遺言者をだましたり脅したりして遺言の内容を書き換えされたり、遺言を変更することを邪魔したりすることも欠格事由になります。

もし遺言を預かった場合は、上記のようなことに気を付けて大切に保管していただければと思います。
なかなか言いづらいかもしれませんが、遺言者からも、預かる人に対して上記のようなことをお伝えいただくとよいかもしれません。

では、また次回お楽しみに!

司法書士 たつみ