マニアック法律知識~使用貸借とは?~

掲載日:2018.02.14


物を貸す・借りるという行為をする場合、通常は賃貸借契約という契約をしているかと思います。
アパート(お部屋)の賃貸などが代表的なものですね。

しかし、お互いに親しい間柄である場合など、無償で貸す・借りる、ということがあります。

実は、賃貸借契約は賃料を伴う契約なので、無償の場合、賃貸借ではなく「使用貸借」という契約になります。

どちらでもよいのでは?とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、現実には様々な違いがあります。

そもそも、賃貸借も使用貸借も、法律でその効果が決められているため、賃貸借なのか使用貸借なのかによって、相手に主張できる権利などが異なります。
中でも、最も注意したいのが、借主が死亡した場合に契約が存続するかどうか、という点です。

賃貸借契約では、借主が亡くなった場合、借主の権利は相続人に引き継がれ、賃貸を続けることができます。これは、その他の権利と同じですね。
一方、使用貸借契約の場合、借主が亡くなると、その権利は相続人に引き継がれず、そこで契約は終了になります。
使用貸借契約は、借主に一方的に有利な契約なので、その権利が相続人に引き継がれていくとすると、貸主の負担が過大になってしまうからです。

その他にも様々な違いがありますので、物を貸す・借りるという場面では、それが賃貸借なのか使用貸借なのか意識していただくことで、無用なトラブルも防ぐことができるのではないでしょうか。

では、また次回お楽しみに!

司法書士 たつみ