相続のはなし~相続放棄と遺産分割の違い?~

掲載日:2018.01.18


遺産分割をすることにより、ある相続人が相続財産を一切受け取らない、とすることができます。
相続財産を全く受け取らないのであれば、相続放棄と近い効果があるように思います。

しかし、実はそこには大きな違いがあります!

相続放棄をすると、当初の相続人は「相続人ではなかった」ことになり、債務も含めて一切の権利義務を引き継ぐことはありません。
一方、遺産分割をした場合は、あくまで相続人の立場で「(相続人ではあるけれど)財産は受け取らない」と決めるに過ぎないので、被相続人に債務があった場合、債務は負担することになる可能性があります。
そのため、「相続財産を受け取りたくない」という目的の場合、債務があるか、その時点では不明であっても、債務が残っている可能性があるときは、相続放棄を検討した方がよいかもしれません。
また、他の相続人と話し合いをすることを望まないような場合も、相続放棄をすることで、その相続関係から外れることになり、話し合いも不要になります。
ただ、相続放棄をすることで、次順位の相続人に相続権が移り、予期しない事態になる可能性もありますので、その点は注意が必要です。

相続放棄と遺産分割、似ているようで実は効果が異なる2つのしくみについて比較してみました。
実際に手続をする際は、専門家に相談するなど、慎重に検討するとよいでしょう。

では、また次回お楽しみに!

司法書士 たつみ