相続のはなし~分家とは?【戸籍の読み方】~

掲載日:2017.06.12

過去の戸籍を見ていると、「分家」という記載がされていることがございます。

昭和47年の民法改正以前は、日本には家制度があり、戸主を中心に親族全員が一つの戸籍に入籍していました。
現在では、戸主の方を筆頭に一家族(配偶者・子)だけの記録であるのに対し、一族(夫婦・子夫婦・孫・兄弟など)が記録されていたのです。
そして、その戸籍に入っている者が、新しく戸主となることを「分家」と言いました。

例えば、司法太郎さんが長男で家長であったところ、その弟の次郎さんがその家を出て、新しく戸主となろうとする場合に分家をしていたのです。
分家により、分家した者を戸主とする新しい戸籍が作成されるので、「分家」の記載がされている戸籍は、基本的に、その分家の時点からの記録が記載されていることになります。

図の例で言うと、司法次郎さんは大正10年6月12日に分家しているので、この日からの記録がされている戸籍であるということになります。

現在では、「分家」というしくみ自体ないのですが、相続手続などで、出生時まで戸籍をさかのぼって取得する場合には、分家の記載がされている戸籍に出会うことがあるかもしれません。
その場合は、分家がされた年月日と、お亡くなりになった方(被相続人)の出生の年月日を比べて、分家された日よりあとにお生まれになっていれば、出生までさかのぼれた、ということになります。

戸籍の読み方は、これ以外にも悩むことがあるかと思いますので、今後も折を見て記載してまいります。

では、また次回お楽しみに!

司法書士 たつみ