成年後見のはなし~家族がいないと利用できない?~
掲載日:2016.04.01
しかし、実は、家庭裁判所へ申し立てをすることができるのは原則として四親等内の親族(ご本人のいとこまで)に限られます!
法律上は、ご本人も申立をすることができるのですが、寝たきりであるなどの理由により、ご自身で申し立てることがむずかしいことも少なくありません。
ご家族に協力していただける場合はいいのですが、ご家族がいない、もしくはご家族がいても誰も協力してくれない、ということもございます。
四親等内の親族でなければならないということは、例えば、施設に入所している方の代わりに、施設の職員の方が申し立てるわけにもいきません。
このような場合を想定して、市町村(長)が申立人になる、という方法もあるのですが、これは例外的な手続であり、希望すれば常に申立をしてくれるというものではありません。
やはり、基本的には四親等内のご親族にお願いすることになりますので、制度の利用を考える際には、誰に協力してもらうのか、という点も確認しておくとよいでしょう。
なお、申立人が後見人になる必要はありません。あくまで申立のみ協力し、後見人は専門家に任せるということでも構いません。
ご親族の方から成年後見の申立について相談されたときには、「自分が協力しなければ制度の利用ができないかもしれない」ということも意識していただき、前向きにご検討いただけると幸いです。
では、また次回お楽しみに!
※この記事は、利用者の多い法定後見のうち、成年後見について記載しました。大部分が成年後見制度全般に共通していますが、一部手続が異なることがございますことをご了承ください。