不動産登記のはなし~所有権を抹消する?~

掲載日:2024.02.17

所有権の移転登記(家の名義変更)を行ったあと、その名義変更を抹消するということがあります。これは「所有権の抹消」と言われる手続です。

例えば、売買でAさんからBさん名義に変更したところ、何らしら問題が生じて契約が解除されたような場合。契約が解除されればBさんへの名義変更はなかったことになりますので、この場合はBさんの所有権を抹消し、Aさんの名義に戻すことになります。

ただし、所有権抹消を行おうとする際には、利害関係人がいると、その承諾なしには手続を行えないという問題があります。
利害関係人とは、Bさんの所有権を抹消することで損害を受ける人のことで、例えば、Bさんが銀行からお金を借りて抵当権(担保)を設定していたような場合、銀行が利害関係人となります。
これは、銀行の抵当権はBさんが所有者であることを前提としていますので、Bさんの権利が消えると、その前提を失って銀行の抵当権も消えてしまうためです。
誰が利害関係人にあたるかなど、少し難しい問題がありますので、慎重に判断する必要がありますね。

では、また次回お楽しみに!

司法書士たつみ