相続のはなし~相続されない権利がある?~

掲載日:2021.07.31

相続があると、相続人は、お亡くなりになった方(被相続人)の全ての権利義務を引き継ぎます。
しかし、「全て」と言っても、実際には例外があります。
例えば、年金や生活保護の受給権がそうです。
これは一身専属権と呼ばれるもので、その人一代限りに認められる権利であって、相続人はそれらを相続できないというものです。
一身専属権は、相続人に相続するかどうかの選択肢はなく、相続発生と同時に自動的に権利が消滅します。

ただ、混乱しやすいところで、建物の賃貸借契約や携帯電話の利用契約は、たとえ本人しか利用していなくても、相続の対象となります。
一身専属権というのは、本人しか使っていなかったかどうかという主観的基準ではなく、元々の権利の性質で決まります。
賃貸借契約などは解約の申出(契約解除)をしておかないと、その先も賃料を請求されてしまいますので、注意が必要です。

相続があった時はなかなか落ち着いて考える時間もないと思いますが、どこかの段階で、どのような権利・義務が相続の対象となるのかしっかりと確認するようにしましょう。

では、また次回お楽しみに!

司法書士 たつみ