相続のはなし~遺産分割協議証明書とは?~

掲載日:2019.08.20

相続手続において、「遺産分割協議」という言葉はよく耳にされるかと思います。
遺産分割協議は、相続人が複数でかつ遺言がない相続手続において、相続人全員で相続財産の分配について取り決める話し合いのことで、その協議の内容を書面にしたものが遺産分割協議書です。
では、遺産分割協議証明書とはどのようなものなのでしょうか。
遺産分割協議書が協議した日を以て作成日となるのに対し、遺産分割協議証明書は、過去のある時点で協議があったことを証明するもの、ということになります。
ただし、「相続発生の効果は相続発生時(被相続人死亡時)にさかのぼる」とされているため、協議成立の日がいつであっても、相続の効果が発生する日は同じです。各機関に提出する際に印鑑証明書を添付する点も同じですね。

それでも、相続人が遺産分割により財産を取得した後に死亡した場合は、生前に遺産分割協議がされていたことを証明するためには遺産分割協議証明書が必要になりますし、当事者間ですでに協議がされている場合は、事実を正確に記録するためにも、協議書と協議証明書は使い分けるべきでしょう。
また、相続財産から発生する家賃収入などがある場合、その収入は協議成立前は相続人全員が法定相続分通り取得するものとされていますので、いつ協議が成立したかによって財産の取得者が変わることになります。
これは、相続の効果が相続発生時にさかのぼるとされていることの例外と言えますね。

では、また次回お楽しみに!

司法書士 たつみ