成年後見のはなし~任意後見人には取消権がない?~

掲載日:2019.06.26

成年後見制度を利用した場合、後見人等に与えられる権限は大きく分けて代理権と取消権があります。

代理権とは、ご本人の代わりに法律行為を行うことで、銀行との取引や施設との入所契約をご本人の代わりに行うことを想定しています。
一方、取消権は、ご本人がした法律行為を取り消すことができる、というもので、明らかに不要な商品を購入してしまった場合などにその購入契約をなかったことにする、というようなケースを想定しています。

さて、この権限ですが、実は、法定後見と任意後見でしくみが異なります。
法定後見の場合、ご本人の状況などにより、代理権・取消権いずれも与えられることがありますが、任意後見の場合、任意後見人には代理権のみ与えられ、取消権はありません。
つまり、ご本人のした法律行為(契約など)は取り消すことができず、一般人のしたことと同様有効になります。
このしくみがいいのか悪いのかというと、一概には言えないところで、浪費癖がある方などは、散財の危険を防げないことになりますが、一方、考え方によっては、認知症であっても本人の意思は尊重される、ということですので、それを望む方もいるかもしれません。

任意後見を利用しようと考えている方は、この点も考慮されるとよいのではないでしょうか。

では、また次回お楽しみに!

司法書士 たつみ