成年後見のはなし~配偶者の生活費を支出してもよい?~

掲載日:2018.04.24

成年後見制度を利用すると、ご本人の財産は成年後見人等が管理することになります。
そして、成年後見人等は、原則としてご本人のためにのみ財産を管理しているので、例え親族であっても、自由にお金を渡す(贈与する)ことはできません。
では、ご本人に配偶者がいる場合、その方の生活費を支出することはどうでしょう。
例えば、ご本人は施設に入所していて、配偶者が自宅で生活を続けているような場合です。

親族であっても自由にお金を渡せないのであれば、配偶者の場合も同じように思えます。
しかし、婚姻関係にある場合、相手の方の生活費も出すことが一般的でしょう。
実は、婚姻関係にある場合、「婚姻費用」として、ご本人には相手の方の生活費について金銭的負担をする義務がありますので、成年後見制度を利用している場合でも、これを根拠に配偶者の生活費を支出することは正当なことです。
この場合の支出は、贈与ではなく、婚姻費用の支払いをしているだけ、ということになりますので、その都度家庭裁判所に報告をする必要はないでしょう。
ただし、金額的にどれくらい負担すべきなのかという問題はありますので、具体的な金額は個々に判断する必要があります。金額の決定に悩む場合は家庭裁判所に相談されることをお勧めいたします。

では、また次回お楽しみに!

司法書士 たつみ

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