成年後見のはなし~市町村長申立?~

掲載日:2018.03.19

成年後見制度のうち、現時点において判断能力が不十分で、すぐにお手伝いを必要とする方を対象とした「法定後見」。

この「法定後見」を利用する場合、ご本人もしくは4親等内のご親族が家庭裁判所に申立をする必要があります。
しかし、法定後見における後見・保佐・補助の3段階の類型のうち、特に症状が重たい方を対象とした後見を利用しようとする場合、寝たきり状態などでご本人からの申立がむずかしいことがほとんどです。
この場合、4親等内のご親族で後見の申立に協力していただける方がいればよいのですが、親族と連絡が取れない方や、身寄りがない方など、4親等内の親族にも協力を望めないことがあります。
そこで、一定の条件を満たした場合、市町村長がご本人等に代わって後見の申立をしてくれる制度があります。これが、いわゆる「市町村長申立」と言われるものです。

なお、札幌市の場合、後見・保佐・補助、いずれの類型であっても利用可能とされていますが、後見だけの場合に限定している市町村も少なくありませんので、あらかじめ確認する必要があります。
また、あくまで市町村長申立は、ご本人もしくはご親族が申立できない場合の予備的措置なので、後見などの申立をしようとする場合、まずはご親族に協力が得られないか検討することになるでしょう。
市町村長申立の場合、申立費用は市町村が負担するのが原則ですが、ご本人などに財産がある場合は、ご本人などが負担することになることもありますので、ご注意ください。

札幌市における市長申立はこちらをご覧ください。

では、また次回お楽しみに!

司法書士 たつみ