家の名義変更のはなし~亡くなった方の名義で登記をする?~

掲載日:2017.05.01

f240b07153be2901a50dcd41f378b26d_s不動産の所有者になる方は、原則として、ご存命の方でなければなりません。

何を当たり前のことを言っているのかと思われるかもしれませんが、実は、その例外があるのです。
つまり、「亡くなった方の名義で登記をする」ということです。
違和感があるかもしれませんが、これは、登記手続として可能です。

実際、亡くなった方の名義で登記手続を行わなければならない場面もあります。
例えば、売り主(Aさん)と買主(Bさん)が売買契約をした後、登記手続を行う前にBさんがお亡くなりになってしまうような場合です。
売買契約は有効なので、不動産の所有権はすでにAさんからBさんに移っています。そのため、登記の名義は、亡くなったBさんのお名前にすべきです。
ここが登記の分かりにくいところなのですが、実態(法律行為)と登記(手続)が分離しているため、売買があっても、登記を行うまでの間にタイムラグが生じることがあるのです。

また、上記の例で、Bさんの名義にする登記手続ですが、本来手続すべきBさんは亡くなっていますから、Bさんの相続人に協力していただき、AさんとBさんの相続人が手続し、Bさんの名義にするのです。
何だか不思議な話ですね。

なお、Bさんはすでに亡くなっていますので、Bさんの名義にしても、すぐにまた、相続による名義変更を行うことになります。
面倒なように思われるかもしれませんが、事実を正確に表示するのが登記の役割なので、ご理解いただければと思います。

では、また次回お楽しみに!

司法書士 たつみ