成年後見のはなし~任意後見のしくみ【後編】~

掲載日:2017.03.10

c88da76df70a52ee217e0c3852e43f2f_sさて、今回は、任意後見のしくみ【後編】です。

前回の続きとなりますので、こちらの記事を読み進める前に「任意後見のしくみ【前編】」をご覧になることをお勧めします。

では、前回は、任意後見契約がいつから有効になる(任意後見が開始する)のか、というところで終わっていましたね。

任意後見も、法定後見と同じように、判断能力の低下したご本人の支援をするための制度ですから、任意後見の開始時期は、ずばり「支援が必要になったとき」です。
ご本人の判断能力が低下して、支援が必要になったときは、4親等内の親族もしくは任意後見受任者(契約の相手方)が、家庭裁判所に対して「任意後見監督人」の選任を申し立てることができることとなっています。
この任意後見監督人が選任されると、任意後見が開始します。

「任意後見監督人」は、任意後見人がしっかり仕事をしているかチェックする役割を担っており、家庭裁判所が選任します。
ここは注意ですが、任意後見人は自分で選べますが、任意後見監督人までは自分で決めることができないのです。
また、任意後見が開始すると、任意後見監督人に対しても報酬を支払う必要があるので、場合によっては、任意後見人と任意後見監督人それぞれに報酬を支払うということも考えられます。
任意後見監督人の報酬は、家庭裁判所が決めますので、こちらも、契約で報酬を定める任意後見人とは異なりますね。

任意後見は、契約だけすればそれで終わりではなく、支援が必要なときには、改めて任意後見監督人の選任が必要、ということを覚えておいていただきたいと思います。

では、また次回お楽しみに!

司法書士 たつみ