遺言のはなし~特定遺贈?包括遺贈?~

掲載日:2017.03.07

908431ae42a3221d7884519473d99b6f_s遺言によって、相続人以外に財産を与える方法として「遺贈」というものがあります。
遺贈とは、「遺言によって財産を贈与する」ということなのですが、この遺贈には2種類あります。

それが「特定遺贈」と「包括遺贈」です。

「特定遺贈」とは、例えば「A土地を甲野太郎に遺贈する」など、財産を特定して遺贈する方法です。
一方「包括遺贈」は、例えば「財産の2分の1を甲野次郎に遺贈する」など、遺贈する財産を特定せず、一定の割合を示して遺贈する方法です。

どちらでもよいのではないか?と思うかもしれませんが、実際には様々な点で違いがあります。

特に気を付けたいのが、包括遺贈の場合、財産の受取人(受遺者)が、相続人と同じ立場になる、ということです。
例えば、通常、遺産分割協議は相続人のみで行いますが、包括受遺者がいる場合、その受遺者も遺産分割協議に参加することになります。
包括遺贈では、相続財産に対して一定の割合で財産を受け取る権利を有していますが、実際にどのような財産を受け取るかは、相続人と話し合って決めなければならないのです。
ただ、相続人にとっては、第三者が相続の話し合いに関わることになるので、抵抗感を抱く方も少なくないのではないでしょうか。
包括遺贈を行う場合、相続人とのスムーズな話し合いができるのか、ということは慎重に検討していただきたいと思います。

では、また次回お楽しみに!

司法書士 たつみ