成年後見のはなし~遺産分割協議へ参加する?~

掲載日:2017.05.31

さて、今回は、成年後見制度を利用している際に、ご親族が亡くなり、ご本人が相続人になった場合についてです。

成年後見制度を利用していても、当然相続人であることには変わりありません。
そして、相続人が複数いる場合は、相続人全員で財産についての話し合い(遺産分割協議)をしなければなりません。
しかし、ご本人は判断能力が不十分な状態(被後見状態)ですので、このままでは話し合いを行うことはできません。
※仮にご本人を協議に参加させたとしても、無効、もしくは取り消すことができる法律行為となります。

このような場合は、後見人が、ご本人の代理人として遺産分割協議に参加することになります。
また、その際、後見人は、原則としてご本人の相続分を確保するために協議を行うので、ご本人に不利な内容の遺産分割協議を行うことはできません。
ただ、どのような遺産分割方法がご本人にとって不利なのか、判断が難しい場合も少なくないでしょうから、基本的には、遺産分割協議を行う際は、事前に家庭裁判所に相談するのがよいかと思います。

※今回の記事は、法定後見のうち成年後見についての記載となります。

では、また次回お楽しみに!

司法書士 たつみ