マニアック法律知識~裁判で勝ったのにお金が戻ってこない?~

掲載日:2016.05.26

e4440618ade5bac86162ae82d8e9f22b_s残念ながら、金銭を巡るトラブルというのは少なくありません。
話し合いで解決できるとよいのですが、そこで解決できなければ、最終的には「訴訟」ということになるでしょう。

例えば、AさんがBさんに100万円を貸したのに、まったく返してもらえないという場合、Aさんは、Bさんに対し、「100万円を返せ(支払え)」と裁判所に訴えることになります。
裁判においてAさんの訴えが認められると、「BはAに100万円支払え」という判決が出ます(和解で終わることもありますが、今回は判決に限定しています)。
「これで100万円が戻ってくる!よかった!」と思いがちですが、実はそう簡単ではありません!

判決は、Bさんに、「100万円を支払え」と命じているのですが、言い方を変えると「命じているだけ」です。
Bさんが判決に従わなければお金は返って来ません。

そこで、相手が判決に従わない場合は、訴訟とは別に「強制執行」という手続を執ることになります(民事執行法第1条)。
強制執行により、給料や預貯金を差し押さえて、相手から強制的に金銭を回収するのです。

判決(権利の確定)と強制執行(権利の実現)が別の手続だということはなかなか理解されていないところかと思います。
裁判手続は簡単ではありませんね。

では、また次回お楽しみに!

司法書士 たつみ